暴走族と少女の秘密

〈蓮side〉
あいつが、指輪を見ながら、
『大切な人がくれたの』
と、言ったとき、嬉しさと、悲しみが混じったような目を、していた。
蓮「‥‥‥‥っ！」
(俺じゃダメなのかよ。)
素直にそう思った。その時凛があいつに、
凛「大切な人ってだーれ？」
そう聞いたとき俺も知りたかった。
けど、
[秘密]
悲しそうにそう言ったあいつに、少し腹が立った。
蓮「チッ」
(誰なんだよ大切な人って。何で、そんな悲しそうな顔すんだよ)
俺は、悔しくなった。
[今何時かしら]
あいつのその質問に聖が、
聖「もうすぐ、五時半ですね」
[帰るわ]
蓮「送る」
[いらない。寄っていくところあるし。ついてこられたくないから]
そう言った。
(また、大切な人なのか？)