王妃からの手紙 ~娘からの手紙に父王の反応は?~ (次期王の花嫁番外編
手紙が届いて・・・
盛大な結婚式を挙げて、国から送り出してから数日後。
商業の国テニトラニスのコセラーナ王は一通の封書を開けていた。
クスイ国に嫁いだ娘のセーラからの手紙。
初めて訪れるクスイ国や新たな生活のことについてでも書かれてあるのかと思いつつ、そんな内容なら男親である自分宛ではなく母のクイレイラ宛に送るだろうにと疑問に感じながら、手紙を読み始めた。
クスイ国に着いた後の出来事を勢いに任せて書き綴っている。
「…………」
無言で読むコセラーナの横には側近のシキアが控えている。
「コセラーナ様?」
彼の前で突然、肩を震わせはじめた王にシキアは驚き声をかけた。
そしてコセラーナは声を上げて、笑い出した。
「いかがなさいました?」
訝しむシキアをよそに、楽しげに笑ったコセラーナは手紙をシキアに渡した。
「……やられた、な」
脳裏に浮かぶのはまじめな青年、セーラを嫁がせたクスイ国の文官だったクーデノム。
テニトラニスに一年に渡る長期滞在をしていた時、帰国することを告げに来た彼の言動を思い出していた。
商業の国テニトラニスのコセラーナ王は一通の封書を開けていた。
クスイ国に嫁いだ娘のセーラからの手紙。
初めて訪れるクスイ国や新たな生活のことについてでも書かれてあるのかと思いつつ、そんな内容なら男親である自分宛ではなく母のクイレイラ宛に送るだろうにと疑問に感じながら、手紙を読み始めた。
クスイ国に着いた後の出来事を勢いに任せて書き綴っている。
「…………」
無言で読むコセラーナの横には側近のシキアが控えている。
「コセラーナ様?」
彼の前で突然、肩を震わせはじめた王にシキアは驚き声をかけた。
そしてコセラーナは声を上げて、笑い出した。
「いかがなさいました?」
訝しむシキアをよそに、楽しげに笑ったコセラーナは手紙をシキアに渡した。
「……やられた、な」
脳裏に浮かぶのはまじめな青年、セーラを嫁がせたクスイ国の文官だったクーデノム。
テニトラニスに一年に渡る長期滞在をしていた時、帰国することを告げに来た彼の言動を思い出していた。
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