もしも、運命の赤い糸がみえたなら
あたしが森くんを見上げると、彼は察して「なっちゃん」の説明をしてくれた。
「石川さん、「なっちゃん」のこと知らない?」
「うん。」
「「なっちゃん」は3年生の国語の担当だから接点ないよね」
「そうなんだ。全然知らなかった。」
山脇先生の彼女とか、そういうのだと思ったよ。
「接点ないと、先生のこと知らないよな」
「森くんは、なんで「なっちゃん」先生のこと知ってるの?」
「ああ、大井先生の彼女だから。」
「えええええ!!」
「あ、石川さん、知らなかった?大井先生と付き合ってるの」
「知らなかった!大井先生も接点ないもん」
「体育のとき、大井先生って女子に囲まれてるイメージあるけど」
「あたし、そういうの疎くて」
「そうだね。石川さんが先生を取り囲み一人っていうイメージないし」
「幸華ちゃんも朱里ちゃんもそういうタイプじゃないし」
「たしかに。大井先生、かっこいいと思う?」
「うーん」
森くんの質問にあたしは考える。