もしも、運命の赤い糸がみえたなら
「石川さんの好きな人って、山脇先生?」
森くんの質問にゆっくりうなずく。
「正直、驚いた。石川さんってそういう危ない橋を渡らないイメージあったから」
「あたしもびっくりしてる。そういえば、森くんはどうしてこんなとこにいたの?」
「カバンの中の課題を探してる間に、石川さんがもう教室出ちゃったから後を追いかけたんだけどさ。
なんか中から声が聞こえてきたっていうか」
「入りにくい話しててごめんなさい」
「俺こそ、なんか立ち聞きみたいなことしちゃってごめん。俺、誰にも言わないから。
自分が納得するまでがんばって」
森くんがそう言った。