もしも、運命の赤い糸がみえたなら
広報委員会:視聴覚室
「ねえ、幸華ちゃん、視聴覚室って場所わかる?」
幸華ちゃんは首をふるふると横に振った。
「ねえ、うちのクラスの前期の広報委員ってだれ?」
クラスのみんなに聞こえる声で幸華ちゃんが呼びかけた。
えええええええ
そんな恥ずかしいよ!
「あ、俺だけど」
そういって、近づいてきた男子。
「なんだ、裕太か。頼りないな~」
「幸華、ひでえ。おまえ、広報委員だった?」
「いんや、うちじゃなくて栞菜。
視聴覚室の場所わかんないらしいんだけど」
「あ~、俺もわかんね。ねえ、石川さん、俺と一緒に校内をたんけぐふっ」
「あ、あの、えっと」
幸華ちゃんと裕太くん(?)のやりとりを聞いていたあたし。
でも、何かを言いかけていた裕太くんの話をぶっちぎるような幸華ちゃんのチョップ。
あたしはおどおど。
「あ、あの、裕太くん。委員会、一緒に行こう?」
「うん。じゃあ、行くときに声かけて。」