もしも、運命の赤い糸がみえたなら
放課後になり、帰りのホームルームが終わった後、谷先生に視聴覚室の場所を尋ねた。
「向こうの棟の2階だよ。左から視聴覚室、進路資料室、進路相談室だからな。」
まあ、歩いてればわかるから
そう言った谷先生に「ありがとうございました」と言って、裕太くんの席へ向かう。
「裕太くん、委員会に行こう?」
むくり、
重そうに机に突っ伏していた体を起こす。
1回、大きく伸びをして
「栞菜ちゃん、行こうか」
と立ち上がり、
「さっき、谷先生に聞いたんだけど、向こうの校舎の2階みたいだよ」
と告げた。
裕太くんと一緒に階段を上り、渡り廊下を渡る。
「意外とすぐ、見つかったね。」
裕太くんの言葉にうなずいて、教室に入る。