もしも、運命の赤い糸がみえたなら
バスで市内まで移動して、駅前でみんな降ろされる。
そこから公共交通機関を使って、各グループ、事前に立てた計画に従って行動し、15時までにここに集合することになっている。
「じゃあ、行こうか」
張り切って電車へ向かう幸華。
その手を引っ張り制止する森くん。
「幸華、そっちじゃないから」
「幸華、置いていくぞ」
そう言って歩き出す天野くんと平田くん。
その後ろについていくあたし。
「幸華、迷子にならないでよ」
笑いながら、あたしの後ろを歩く朱里ちゃん。
口をとがらせながら最後尾を歩く幸華ちゃんとため息をつく森くん。
「今日は、楽しくなりそうだね」
朱里ちゃんに言うと、意味ありげにニヤッとしたあと、頷いた。