もしも、運命の赤い糸がみえたなら
「石川さん、何飲んでるの?」
「オレンジジュース。森くんは?」
「俺、コーラ」
「小さいころさ、炭酸飲んだら歯が溶けてなくなるっていうの本当に信じてたな」
「はは、石川さんぽい」
「なにそれ。」
「溶けるかもしれないけど(笑)
一口、飲んでみる?」
「ううん、大丈夫。」
「もしかして、炭酸苦手?」
「そんなことない。ふつうに好きだよ」
ふたりとも食べ終わって、一息ついて、再び森くんが時計を見た。
「ここから集合場所まで、電車で10分あれば行けるから、ちょっと遊ぼうか」
食べ終わったトレーを持って、森くんは立ち上がった。
「うん」
あたしは彼の背中を追った。