もしも、運命の赤い糸がみえたなら
「先生、ちょっと、俺も彼女にいいとこ見せたいからさ、黙っててよ」
爽やかに甘えるように言う森くん。
「栞菜ちゃん、行こう」
そう言って、さっきあたしが立ち止まった台の前に戻る。
チャリン、と100円玉を2枚落とし、森くんは狙いを定めた。
すこし離れて谷先生は様子を見ている。
クレーンは、あたしの欲しかったぬいぐるみをつかみ、少し揺れながら、ストン、と穴に落ちた。
それを取り出して