もしも、運命の赤い糸がみえたなら
「失礼します」
ホームルームが終わって、社会科準備室を尋ねたあたし。
「どうぞ」
という山脇先生の声が聞こえて、あたしは中に入った。
あたしが側に立つと、パイプいすを出すように言った。
「なんであなたは、そんなにうれしそうなんですか。」
ため息と一緒に吐き出された言葉。
「だって、先生と二人きりだから。」
あたしの言葉に、もう一回ため息をつく先生。
そんな仕草も大好き。