もしも、運命の赤い糸がみえたなら
「あなたが想像しているようなことは、ないですからね。」
「先生、あたしの頭の中、見えるんですか。」
「そんなことより、みっちり2週間、午前中いっぱい使って補習をしますから。
カクゴしてください」
「なんか、「カクゴしててください」ってドSっぽくて興奮します」
「もう、あなたの妄想には付き合いきれません。早く帰って勉強してください。」
「先生?」
「まだ、何かあるんですか?」
「好きです」
「はあ。」
「あたし、先生のこと好きだから。これから先生に会うたびに「好き」っていいますから。
あたしのこと、好きになったら、ちゃんと言ってくださいね」
それじゃ、さようなら。
あたしは自分の座っていたパイプいすを片付けて社会科準備室を出た。