もしも、運命の赤い糸がみえたなら
memory10
県予選と森くん
「明日、俺らが来なくても寂しがらないでね」
そんなことを幸華ちゃんに言っているのはもちろん平田くんで。
「明日、何で平田くんは学校に来ないの?」
事情がよくわからないあたしは森くんに聞いた。
「明日、野球部の県予選の初戦なの」
いつもの笑顔がまぶしい。
「そうなんだ。がんばってね。」
「ていうか、1年で背番号とかもらえる人とかいるの?」
朱里ちゃんが森くんに聞く。
「背番号は森はもらったよな。あと、迫ももらってたけど、聞いてない?」
そこで会話に入ってきたのは天野くん。
ちょうど帰りの準備をしていて、カバンの中に今日使った教科書とノートを入れていた。