もしも、運命の赤い糸がみえたなら
「朱里―!練習するよ!」
「うわ!ここにいるのバレたか!ちょっと行ってくる!栞菜バレーがんば!」
サッカー部の女の子が朱里ちゃんを呼びに来て、この時間サボりたかった朱里ちゃんを連れて行った。
「委員長も行くよ!」
「この前の試合、勝ってたら今日も試合だったのに」
ついでに、というか道連れにブツブツという委員長も連れていく朱里ちゃん。
あたしはその背中を体育館の隅から見送った。
県予選の3回戦で、うちの高校は今年の優勝候補の高校と対戦することになって、あっけなく5回コールドで負けたしまった。
そんなことを話してくれた幸華ちゃんを思い出す。