もしも、運命の赤い糸がみえたなら


そんな意気込みでのぞんだけど・・・




女子バレーは初戦敗退。


女子バレーの優勝候補の筆頭の3年生とあたってしまった。


幸華ちゃんはがんばってただけに、力になれず本当に申し訳ない。




「栞菜、このあとどうする?」


幸華ちゃんが声をかけてくれた。落ち込んでる暇はない。



「朱里ちゃんの応援に行こうと思ってるんだけど」


「じゃあ、うちも行く。一緒に行こう」


幸華ちゃんはフットサルをやってるグラウンドの方に歩き出した。でも、



「幸華ちゃん、本当は何かあった?」


あたしは聞く。カンだけど。



「実はね、平田に応援に来てって言われてるんだよね。」



めずらしく幸華ちゃんは煮え切らないよう。


「行ってこないの?」


「だって、彼氏じゃないし」


「でも同じクラスだから、同じチームだよ。」


「そうだね。じゃあ、栞菜も一緒に」


「あたし、朱里ちゃんの応援終わったら行くから。幸華ちゃん、先に行ってて」


「いや、うち、栞菜と一緒に行くよ」


幸華ちゃんは、そう言ったけど。


平田くんは幸華ちゃんが好きだから、きっと見ててほしいよね。


だから、「ほら、早く、行った、行った」


と幸華ちゃんの背中を押したんだ。


「栞菜がいなきゃ意味ないよ」


そう言って、幸華ちゃんと朱里ちゃんのフットサルを見に行った。

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