もしも、運命の赤い糸がみえたなら
「くそっ。3年に負けた!」
バックネット裏で見ていたあたしたちにいつから気づいたのか、森くん、平田くん、天野くんが悔しそうに言いながらやってきた。
「おつかれさま、はい」
スポーツドリンクを渡しながらあたしたちは労った。
「これ、谷先生から」
スポーツドリンクを受け取り、3人とも喉を鳴らして飲みだした。
動くのどぼとけに「男の子なんだ」と思う。
「最後、大井先生ズリイよな」
唇をとがらせる平田くん。
「たしかに、最後カッコよかったわ。」
朱里ちゃんがため息交じりに言う。