もしも、運命の赤い糸がみえたなら
3年3組と1年4組の試合。
5回表までで2対2の同点。
5回裏、3年3組は大井先生が打席に入った。
うちのクラスのピッチャーが投げた。
そのボールは
キーーーーン
高くてきれいな金属音を残してフェンスを越えた。
「ホームラン打つとか、1年に手加減してくれねえし」
苦笑いを浮かべて天野くんが言った。
「あれは、男でも惚れるな」
3年生女子の黄色い声でも思い浮かべたのか平田くんが言う。
そんなことを無視して幸華ちゃんは
「次、男子バスケ観に行こう」
と言って歩き出した。
それに平田くん、朱里ちゃん、あたしと続く。
「サッカーはどうなってるの?」
「谷センに聞いたらわかるよ。」
森くんの質問には幸華ちゃんが答えた。