もしも、運命の赤い糸がみえたなら
memory12
クラスマッチとホームラン
「あ、やってる、やってる」
体育館の扉をあけると、熱気が押し寄せる。
2階の応援席へ歩いていくとクラスの半分以上の人が座っていた。
もちろんそこには谷先生もいて。
空気を読まない平田くんは
「谷セン、サッカーは?」
と聞いていた。
ちょうどその時、相手のクラスが得点を決めたのか大きな歓声が響き
「負けたよ」
とボソボソとした谷先生の声は平田くんに聞こえたのかあたしにはわからない。