もしも、運命の赤い糸がみえたなら
「やっぱ、3年は強いな」
落下防止の鉄の柵に手をかけてバスケの試合を見ていた森くんが、まだ、応援席へ向かう階段を上がり終えたばかりのあたしのそばにやってきた。
あわてて、森くんと一緒に鉄の柵へ向かう。
ドクン
「ああ、ボロボロ」
そんな森くんのつぶやきは、あたしの耳には入らなくて。
茶色の髪が爽やかに揺れて。
普段は出さない腕はクラスのポロシャツから出していて。
1年生のうちのクラスの男子をドリブルでかわす。
そしてそのままシュートを放つ。
そのボールはきれいな弧を描いてシュッと軽い音を立ててゴールに吸い込まれた。