もしも、運命の赤い糸がみえたなら
・・・誰もいない?
あたしは森くんを見た。
「たぶん、迫は朱里といるはずだし、平田と幸華も」
そこで、さすがのあたしも察した。
「えっと、じゃあ」
森くんはみんなのことを思って今日、来ているわけで。
あたしと二人で過ごす理由はないし。
ていうか、森くんってかっこいいし、あたしなんかと二人でいるのを見られて変な誤解とかされたら迷惑なんじゃないかな。
「じゃあ、行こうか」
さりげなく、森くんはあたしの手を引く。
「あたしと、お祭り周る、の?」
あたしの質問に森くんははにかんだような、優しい笑顔で返す。
「せっかく来たんだし、俺らも楽しもうよ」
何、食べたい?
そう聞いてくれて、くいっと少し強めに手を引いてくれた。
「あたしも焼きそば食べたい」
「りょーかい」