もしも、運命の赤い糸がみえたなら
「え?ていうか、そんなことより森くんには彼女いないの?」
「俺、彼女いそう?」
「うーん、いそう、かな?」
「いないよ。いたら、彼女とお祭り行きます」
はは、っと笑った横顔は少し照れているようにも見えた。
「じゃあ、好きな人とかいないの?森くん、いつも平田くんに協力してばっかりじゃん」
「それは、秘密、かな?」
「それって、いるよね!!幸華ちゃん、じゃないよね?」
「なんで、そこで幸華?まあ、いいや」
「・・・?」
「あのさ、何か食い物買わない?俺、フランクフルト食べたい」
石段から立ち上がって森くんが言う。
「あたし、かき氷食べたい」
あたしも立ち上がる。
そして並んで人ごみの中に混ざった。