PMに恋したら
「そうかな?」
シバケンの言葉に顔を上げた。
「実弥は変わろうとしてるでしょ」
そう言うシバケンは私の耳の上の髪にキスをする。そうして優しくコートを脱がし始める。部屋着のまま出てきてしまったから、コートの下は色気のないTシャツを着ている。けれどシバケンはそれに気づかないようで、私の頬に手を添え唇を重ねる。
「自分のことを客観的に見つめて前に進もうとしてる。偉いよ」
目が潤んできた。シバケンの言葉はいつも私を元気づける。
「嬉しい……頑張れそう」
シバケンは微笑んで頭を撫でる。
「元気出して。実弥が俺の支えだから」
「うん……」
心が満たされていく。愛する人がそばにいることで幸せが溢れる。
「どうやったらお父さんに認めてもらえるか分かんないけど、今はとにかくシバケンと居たいって主張し続ける」
「いつでも俺んとこ来て。じゃないと不安になるから」
「不安?」
「実弥が心変わりしちゃうんじゃないかって……」
「え? まさか」
「だってお父さんが認めた男が実弥のそばをうろついてたら、俺不安になるし……」
シバケンは珍しく拗ねた顔をする。それが嬉しくてぎゅうっとしがみついた。
「もしかして妬いてる?」
シバケンが坂崎さんに嫉妬しているんだと思ったら、申し訳なさと嬉しさが同時に湧く。
「うん。嫉妬でどうにかなりそう……」
耳元でそう囁かれ、首にキスをされて体の力が抜ける。
「俺以外の男を意識しないで」
独占欲をむき出しにされて体が熱くなってくる。
「そんなことはありえないから大丈夫」
不安に思わなくていいのに。元々私はシバケン以外心を動かされたことがないのだから。
シバケンの手がシャツの下から中へと侵入し、肌に直に触れた。下着の上から胸を包まれるとゾクゾクして体から力が抜けてくる。
「んっ……」
背中に回った手がホックを外し、Tシャツを自然な流れで脱がされた。
胸の先端を指で転がされ、まともに声が出なくなる。