PMに恋したら
「どうしたの?」
「昨日、あの人と居ただろ」
あの人と言われてハッとする。やはり坂崎さんと居るところをシバケンに見られたのかもしれない。
「あれは違うの! 無理矢理手を掴まれて!」
「知ってるよ。見てたから」
唇が耳から首に、そして私の唇へと徐々に移動する。
「他には?」
「え?」
「何されたの?」
シバケンの手がコートを脱がして私の体中を撫で回す。
「ちょっと……シバケン……くすぐったい」
「他は? どこを触られた? 何をされたの?」
「んっ」
怒っているような声音と、服の上から胸に触られて体が反応する。
「なにも……何もされてない」
「手だけ?」
「そう……」
私の手を握って顔の前に上げると指にキスをした。
「シバケン? どうしたの?」
「浄化」
「何それ……まるで呪いみたいじゃない……」
昨日坂崎さんに捕まれた手の記憶はシバケンのキスで上書きされる。シバケンはうっとりするほど色っぽい顔をして人差し指の腹に優しくキスをし、付け根から指先までゆっくり舌を這わす。
「くすぐったいよ……」
ゾクゾクして足に力が入らない。シバケンの腕が腰に回り体を支えられた。
私の手を優しく解放するとブラウスのボタンを外されていく。腰を抱えられながら鎖骨にキスをされて声が漏れる。
「シバケン……嫉妬してる?」
もしかしなくても、この人は怒っているのではないだろうか。
「してるよ。実弥が触られてて気分がいいわけない」
首筋を強く吸われた。
「んっ……ごめんなさっ」
最後まで言う前に唇を塞がれる。珍しく強引なシバケンに戸惑うばかりだ。
「まっ、待って……」
肩を優しく押すとシバケンはやっとキスをやめてくれた。
「ごめん……」
シバケンは真っ赤になった顔を隠すように私の肩に顔をうずめる。
「どうかしてた……」
「ごめんなさい……そうさせたのは私です……」