棘を包む優しい君に
眠い目をこすり、腕の中をもう一度抱きしめた。
…………………おかしい。
腕の中に何かいる。
飛び起きるとそれはあの女。
眠そうな目を開けて、その目を丸くしたかと思えば、今度は顔を赤くして手で顔を覆った。
「ど、どうして副社長が?
それにどうして裸なんです!?」
動揺して健吾と呼べずに副社長と呼ぶ朱莉にこちらこそ動揺している。
どうして…何故、俺は人間になっているんだ!
いくら動揺していても何か誤魔化さないといけないだろうと思い立って適当なことを口にした。
「ここは俺のベッドだ。
いつも寝る時は裸で寝るんだ。
お前こそどうしてここに……。」
「ハリーくんが寝てたから可愛くて隣で見ていたらいつの間にか………。
そうだ!ハリーくんは!?」
寝ていたハリー。
そう確かに寝た。ハリネズミの姿で。
「ハリーか………ハリーはどこかにいる。
いつものことだ。」
全くもっておかしな説明をぼんやりした頭から絞り出す。
ハリネズミのことは今はどうでもいいんだ。
俺は……どうして人間なんだ。
望んでいたとしても突然過ぎて『はい。そうですか』と受け入れられなかった。
とにかく帰れと朱莉は追い出して一人部屋で冷静になろうと鏡に向き合った。
…………………おかしい。
腕の中に何かいる。
飛び起きるとそれはあの女。
眠そうな目を開けて、その目を丸くしたかと思えば、今度は顔を赤くして手で顔を覆った。
「ど、どうして副社長が?
それにどうして裸なんです!?」
動揺して健吾と呼べずに副社長と呼ぶ朱莉にこちらこそ動揺している。
どうして…何故、俺は人間になっているんだ!
いくら動揺していても何か誤魔化さないといけないだろうと思い立って適当なことを口にした。
「ここは俺のベッドだ。
いつも寝る時は裸で寝るんだ。
お前こそどうしてここに……。」
「ハリーくんが寝てたから可愛くて隣で見ていたらいつの間にか………。
そうだ!ハリーくんは!?」
寝ていたハリー。
そう確かに寝た。ハリネズミの姿で。
「ハリーか………ハリーはどこかにいる。
いつものことだ。」
全くもっておかしな説明をぼんやりした頭から絞り出す。
ハリネズミのことは今はどうでもいいんだ。
俺は……どうして人間なんだ。
望んでいたとしても突然過ぎて『はい。そうですか』と受け入れられなかった。
とにかく帰れと朱莉は追い出して一人部屋で冷静になろうと鏡に向き合った。