契約の彼女と彼の事情

10話

外見から裏切られる事なく、内部も木造の作りで、
部屋は基本畳みである。

1つの応接間と思わしき部屋に案内された、
その部屋も掛け軸などかかっており、いかにもといった雰囲気だ。

「祖母を呼んでくるよ」

そう言って、修一郎さんが席を立つ。

1人、部屋で横を見ると、庭園が見える、
木や岩が計算されつくされた配置をしており、ついつい見入ってしまう。

しばらく待たされたが、修一郎さんが、おばあ様を連れて戻ってきた。

「修一郎の祖母です」

「初めまして、林 舞と申します、
 これ、お土産です、つまらない物ですが」

そう言って、おばあ様の好物だと聞いた、羊羹を差し出す。

どうも、とおばあ様が受け取って、

それから、延々と話しが続いた、

周防家は古くから延々と続く格式ある家であり・・・

修一郎を立てて、この家を守り・・・

2時間ぐらいは聞いただろうか、本来なら、唖然となる所だろうが、
修一郎さんから話は聞いていたので、にこにこと話を聞いていた。

「さて、こんな所かね」

言い終わったおばあ様は、さっさと立ち上がって、部屋を後にしたのだった。
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