契約の彼女と彼の事情

15話

食事がほぼ食べ終わった頃、
おばあ様が背筋を伸ばして、言う。

「舞さん」

「はい、何でしょう」

私もつられて、背を伸ばす。

「来週からは、茶道と華道、みっちり仕込みますからね」

「はい」

思わず、修一郎さんと顔を見合わせる、

修一郎さんは、嬉しすぎたのか、私を引っ張り、
私のおでこの辺りに、ほほをぐりぐりとつける。

「もう、喜びすぎよ」

「嬉しいよ、ありがとう、おばあ様」

あばあ様はふんと、そんな2人を見ている。

無事、関門突破。

幸せな一夜だった。
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