契約の彼女と彼の事情

18話

多少の事なら我慢はできる、そう思った。

しかし、次の日案内された物件は想像を遥かに超えていた。

部屋を1つ1つ開けて確認する。

「3LDK?」

しかも1部屋が広いような、

東京でこんなアパート・・・

「正直に答えて、ここ本来ならいくらなの?」

私の服の入ったバックを運びながら、修一郎さんが答えた、

「月80万だよ」

「80・・・・」

「文句は言わない約束だよ」

文句・・・そうゆう問題なのだろうか。

「こんな事して、社長さんに怒られたら知らないわよ」

「僕、社長だけど?」

「え?」

出会って4か月目にして知る事実。

名刺を渡され、確かに代表取締役と肩書が書かれている。

呆然とする私を、修一郎さんはにこにこと眺めていた。
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