契約の彼女と彼の事情

2話

「よかったら、話てみませんか?」

私の提案に、びっくりしたように、男性が目を見開く。

「話してみると、すっきりする事もあると思いますよ」

しばらく逡巡していたようだが、ぽつりと話始めた。

男性には子供の頃から決められた許嫁がいたらしい、
しかし、相手の女性に好きな男性ができ、
男性が手を貸し、婚約を解消した。

婚約を解消して3年、彼女もいない男性に、
祖母が激怒して、困っているとの事だった。

うーんと考える。

「私ならどうです?」

男性が、え?と言う顔をする。

「とりあえず、彼女の振りとか」

男性は本気で困っているらしく、提案を受け入れようか考えているようだった。

「名前は?」

「林 舞です」

「僕は、周防 修一郎、本当にいいの?」

「本気ですよ、今彼氏もいないですし」

そう言いながら、お酒をオーダーした。
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