契約の彼女と彼の事情

31話

次の週、おばあ様に結婚すると報告をして、
やっとかいと了承された。

私の両親は、何も話してなかったので、驚いていたが、
祝福してくれた。

修一郎さんの親戚と会った時は緊張したが、
おばあ様の「私が認めたんだがね」の一言で、
皆何も言わなかった。

おばあ様、相変わらず強い。

私の左の薬指にはティファニーの指輪がはめられている、
本当に幸せだった。

私は仕事を辞め、アパートを引っ越し、周防家で暮らしている。

周防家では、おばあ様が朝食・昼食を作り、洗濯物を干す、
私が夕飯を作り、洗濯物を畳む、と決められてしまった。

私が全て家事をやってもいいのだが、おばあ様が、
私の仕事を奪うんじゃないよと言われるので、従っている。


「本当にいいの?」

「うん」

スペインに3か月住むのは、やめる事にした、
それより修一郎さんの側にいたい、
それに、修一郎さんの言葉と、おばあ様に認められた事で、
前よりずっと強くなれた気がしていている。

「なら、新婚旅行、スペインにしようか」

「いいの?」

「ツアーだけど、観光地を巡ろう」

「うん!」
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