契約の彼女と彼の事情

6話

「お邪魔するね」

「どうぞ」

8畳1間に、成人男性が入ると、少し窮屈に感じてしまう。

「綺麗にしているんだね」

「性格で、すぐ収納しちゃうんです」

そう言って、麦茶の入ったグラスを勧める。

修一郎さんの両手には大量の荷物があり、

「ただ、それが入るかは疑問ですが」

自分でも、大量の荷物だと自覚しているらしい修一郎さんは、
苦笑していた。

麦茶を飲み、一息ついた所で立ち上がった。

「さて」

と服を脱ごうとする、

服といっても、私の服装はジーンズに、Tシャツといった
まったく気合の入っていない服装、

我ながら女子力ゼロ。

「ちょっと待って」

修一郎さんがあわてて、止める、

「急に脱がなくても」

「いや、着替えないと着付けできないですし」

「せめて襦袢だけ着て」

そう言って、真っ赤になって、うろたえている。

こんな女にも、女性としての魅力を感じるんだろうか?
と疑問に思いながらも、修一郎さんには後ろを向いてもらい、
襦袢を着たのだった。
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