契約の彼女と彼の事情

8話

その後、何度が修一郎さんがアパートを訪ねてきて、
着付けの練習と、茶道の流れを勉強をしている。

あきれた事に、この着物も似合うを思うと、
さらに着物を持って着て、行き場のない着物が溢れている。

何とか、簡単な物なら帯を結べるようになり、
茶道も目途が経った。

「そろそろかな」

修一郎さんが呟く。

「おばあ様に会ってみる?」

とうとう来た。

「そうですね」

少し視線をさまよわせながら答える。

これでは、本当の彼女は、相当プレッシャーだろうなと思いながら、
まだ、偽物だしと自分に言い聞かせる。

「大丈夫、ちゃんとかばうから」

「いざとなったら、おばあ様の味方しません?」

「絶対大丈夫だよ」

強く言われる。

「来週紹介するよ」

「よろしくお願いします」

正座をし、茶道の練習で身についた、丁寧な動作で礼をした。
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