私はそんなに可哀想ですか?
「・・・うん」

やや間があって浅田は頷いた。

俺と浅田は適当に辺りを歩き、目に付いたバーに入った。何処にでもある普通のバーだ。

俺はウィスキーを、浅田は青いカクテルを頼む。

「改めて、22年振りの再会に乾杯」

浅田が言い、グラスを重ねると、チンと澄んだ音が響いた。

「御手洗君、高校の時モテたの知らないでしょ?」

「知ってるよ、浅田はいつもクラスの中心だった、多分クラスの男子の半分ぐらいは浅田に恋をしてたよ」

「ふふふっ、私じゃないわよ、御手洗君が」

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