私はそんなに可哀想ですか?
「俺?」

まさか、告白はおろか声を掛けられた事すら殆どない。訝しむように浅田を見ると、グラスを口に運びカクテルを口に含んでいた。

「そう、私が知ってるだけでも美希、春華、早苗、あ、今日来てた中だと紗江子も」

「まさか」

今度は声に出して異論を唱えた。

「告白なんてされた事はなかったし、話しかけられた事すら殆ど無かったよ」

「うん、話しかけられなかった。御手洗君はいつも人を寄せ付けないオーラ出してたし、それが同い年は思えないぐらい大人びてて」

高校時代を思い出しているのか、浅田は遠い目をして続ける。

「格好良かった」

空になったグラスで手を遊ばせる。

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