未完成な恋 Ⅰ -私の初恋?-
遠くで、パレードの音が聞こえる。
人もぞろぞろとそっちの方へ向かってるみたい。
でも、私と河本くんの間と、その周りの空気はずっと止まってて。
「あ、のさ、」
河本くんが発する、次の言葉を待つ。
「これからも、2人とかで出かけたりするの、誘ってもいい...か?」
少し赤らんだように見える河本くんの顔。多分、遠くのパレードの明かりだ。多分。
「うん...いいよ」
そう言って答えた私の顔は熱くて。
多分、昼間に食べたたこ焼きの熱が今ぶり返してきたんだ。