未完成な恋 Ⅰ -私の初恋?-
「花代ってさ、ネーミングセンスないよね」
「そう?そんなことないよ」
「いいや、そうだね!絶対そう!
飼い犬の名前は?」
「ぱちぇ」
「ほら。」
「ほらってなによ!ぱちぇって可愛いじゃん!」
「飼い犬につける名前じゃないから...可愛いけどさ」
「可愛いならいいのー」
「はいはいわかりましたー。」
「わかればよろし」
名付け親は私よ。
見た瞬間に思った。この子は『ぱちぇ』だって。
今もしっくりきてるし。
その名前を付けようとした時、両親がギョッとしたような顔をしたのはきっと気のせいだ。
その日に食べた牡蠣が当たりそうになったんだ。次の日もその次の日もピンピンしてたけどね。