四面楚歌-悲運の妃-



「貴女何者?
えっと…冥紗はいくつ?
私は13になるの。
年も変わらない様に見えるのに、すごいのね。」

少し興味が出たのか、初めて話しかけてくれた。


『年は11になりました。
小さい頃より、いつか天子様をお護りするために、武術をやっていただけ。』


私の年を聞くと、李燗と楚殿は驚いた顔した。


一緒になって驚いている楚殿に李燗はさらに驚き顔をしかめる。


「そういえば、年を聞いておらんかった。
勝手な判断で15・6だと決めておった…」


そんな楚殿に李燗は呆れた顔をした。


急に楚殿は何かに気付き、眉を寄せて言葉を吐きだす


「ではそなたはまだ童女ではないか…」


その言葉に私は首をふって言った。


『いえ、私はもう立派な女人でございます。』



思いもよらぬ言葉に2人は顔を見合せて驚く。


楚殿は「いや、失礼した。」と言って笑った。


私が11にして、童女でないのも、すこし大人びて見えるのも


七神だから…とお婆様は言っていた。


[生]を司る七神は早く命を生み出す為に、人より早く女人になるという。



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