四面楚歌-悲運の妃-



後宮内のそんな噂を床で聞いた稚皇太后様は、伏せっている場合ではないと思いになられます。


これでは、張貴妃と同じになってしまうと思ったのでしょう。


稚皇太后様は床より起き上がり、陛下の寵愛も取り戻し、また後宮で権力をふるいます。


稚皇太后様が戻ってこられても、呂貴妃様は下がる事はなく、以前の様にお2人の間に争いの火花が散ったのです。


この頃からです。


後宮内でお2人が、皇后の地位を欲し、ご自分の御子を帝位つけたがっていると、噂があがったのは…。



火花は炎に変わったのです。



―――――…


「…それからの事はご存知でしょう?」



話終えた呉淑妃様は悲しく言った。


この後、椀皇后様の逝去


稚皇太后は皇后に立后


皇太子・吏祇公子と旺剞公子の逝去


現皇帝である、稜稟公子が立太子

と続く…



凄まじい女の戦いだ。


後宮とは…女人にとっての戦場なのだと思いしらされる。


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