四面楚歌-悲運の妃-
後宮は女人が唯一、権力をもち上へと昇れる場所。
一族をも繁栄に導く。
そして何よりも、弱き女人が輝ける…
しかし、火種を聞いても、無血でやはり解決する方法がわからない。
浮かぶのは、恢長公子か陛下の死。
そうでなければ、欲はなくなる事がないだろう。
無血で解決するなどと、綺麗事なのかもしれない…。
またもや訪れる沈黙。
きっと崔皇后様も呉淑妃様も、最悪の未来を想像している。
それでも、私にできるのは送られる刺客から陛下をお守り続ける事。
何がこれから起ころうと、陛下は死なせない。
私が命をかけても…
「呉淑妃…聞いてよろしいですか?」
沈黙の中、崔皇后様が突然口を開いた。
沈んだ顔のまま、問われた呉淑妃は崔皇后様に頷く。
「呂貴妃と稚皇太后の争いの火種はわかりました。呉淑妃…皇子を生んでいるそなたになぜ、お2人の火種が飛ばなかったのですか?」
崔皇后様の言葉に、ハっとする。
そうだ。
なぜ傍観者で居続けられたのか
それも最大の謎だった。