四面楚歌-悲運の妃-



今、陛下に御子がいない


それ故姜賢妃様は、1番懐妊を期待されている妃であるから、お心も休まぬのだろう。


私など…嫉妬や妬みの対象にはなるはずもないのに…


けれど、これからも姜賢妃様が私に嫉妬や妬みを抱くのなら…



私にキツくあたる事でお心が晴れるなら…


私はいくらでもそれを受け止めよう


争いの元凶だと分かっているけれど


私が嫉妬や妬みを抱かなければ、争いにはならない。


私は少しでも陛下の側にいたい。



そう思ったと同時に、「ふ…」と小さな声がもれ、微笑する。


なんという事だ。


私はたった1度で


もう欲してしまっているではないか。


陛下が望むのならばなど、言い訳に過ぎない。


望んでしまうのが怖いと、望んではいけないと思っていたのに…


妃としての幸せを…



陛下の愛を…


望まずにいれなかった…。

私は愚かな聖人だ。


元凶となるとわかっていても


願うならば陛下ともう一度…


陛下のお側ににと


思ってしまうのだから。



陛下の後宮に悲劇は生ませないと誓おう。


私のこの想いが元凶にならぬ様に…


< 155 / 390 >

この作品をシェア

pagetop