四面楚歌-悲運の妃-
今、陛下に御子がいない
それ故姜賢妃様は、1番懐妊を期待されている妃であるから、お心も休まぬのだろう。
私など…嫉妬や妬みの対象にはなるはずもないのに…
けれど、これからも姜賢妃様が私に嫉妬や妬みを抱くのなら…
私にキツくあたる事でお心が晴れるなら…
私はいくらでもそれを受け止めよう
争いの元凶だと分かっているけれど
私が嫉妬や妬みを抱かなければ、争いにはならない。
私は少しでも陛下の側にいたい。
そう思ったと同時に、「ふ…」と小さな声がもれ、微笑する。
なんという事だ。
私はたった1度で
もう欲してしまっているではないか。
陛下が望むのならばなど、言い訳に過ぎない。
望んでしまうのが怖いと、望んではいけないと思っていたのに…
妃としての幸せを…
陛下の愛を…
望まずにいれなかった…。
私は愚かな聖人だ。
元凶となるとわかっていても
願うならば陛下ともう一度…
陛下のお側ににと
思ってしまうのだから。
陛下の後宮に悲劇は生ませないと誓おう。
私のこの想いが元凶にならぬ様に…