四面楚歌-悲運の妃-
狄洙様にもし、この事をこの先聞かれたのなら、五行の力だったとでも言っておこう。
私が五行の力を使える事は、皆がすでに知っている事だ。
問題はない。
『そうね。
でもいつか…わかる時が来てしまうだろうけれど…』
そんな日が来てほしくはないけれど、呂貴妃様が何かを起こさなくても、宮歌国は四方を敵国に囲まれている。
その四つの敵国は宮歌国を攻め入る機会を狙っている。
私がこの身を、本当に宮歌国と陛下に捧げる日は来てしまうだろう。
その時まで
私は軍妃将軍として
陛下の妃として
狄洙様に、妹である事を悟られぬ様に…
真実の私を受け入れてくれた
素晴らしき仲間と
まだ真実は明かせないでいるが、私を想い信じてくれる仲間と
そして陛下と共に
ここに在ろう。
この後宮に…―――――。