四面楚歌-悲運の妃-
陳という宦官はそう言いながら、宮へと入って行く。
入ってすぐに、中庭を挟み左右に広がる廊下があり、さらにその奥を行くと部屋が沢山ならぶ廊下へと出る。
ちょうど中央の部屋の前で宦官は止まって口を開いた。
「そなた達の部屋はここだ。
6人での相部屋となっている。
窮屈だろうが、三月程だから我慢するように。」
そう言うと、部屋のドアを開けた。
部屋にいた者達は一斉にこちらを向く。
「相部屋の者達だ。仲良くするように。」
宦官はそう言って、どこかへと言ってしまった。
部屋にいたのは4人。
どうやら、私と李燗で6人そろったようだ。
「憧李燗です。よろしく。」
李燗につられて、私も言う。
「琴冥紗です。」
言ったものの、私の仮面に驚いているのか、しばし沈黙が流れた。
それをやぶったのは、どこかの民族衣装の娘だった。
「私は汀悒雉(テイユチ)だ。」
それに続いて、他の娘達も口を開いた。
「梁崙矣(リョウロンイ)」
「棕尹(ソウユン)といいます。」
「姶祁嗄(アイキサ)です。」
この6人で三月過ごす事になるのか…。
『よろしくお願いします。』
私が再度言うと、4人は笑顔で応えた。