四面楚歌-悲運の妃-


「では私の方からはじめに、軍妃についてを話させていただく。」


欺軍妃将軍は軍妃について話はじめた。


私を含め、ここにいる軍妃候補達は軍妃について詳しく知らない。



軍妃とは名の通り皇帝の妃嬪であり、後宮を守護する者であり、戦に参戦する事もある。

妃嬪官職は貴妃以下を賜る事となる。

そして軍妃として、三月の修行の後に武術に長けたもの中から、軍の官職を決める。


先帝後宮軍の軍妃の中でも、若い軍妃は継続し後宮にいるが、現皇帝の妃嬪ではない。


故に皇后以外が住む黄麟ノ宮には住んでおらず、舞妃ノ宮を居としている。


欺軍妃将軍と勝負をして勝った者が軍妃将軍となる事ができ、欺軍妃将軍が勝利した場合は、欺軍妃将軍が継続して軍妃将軍を勤める事になる。


欺軍妃将軍は一通りの説明を終えると、軍妃候補達を見回した。


大半の娘達が妃になりたいが為に、ここにいるのだろう。

不安の色を顔に出している。


しかし軍妃になるというのは、簡単なモノではないのだ。


欺軍妃将軍は再び話を再開させた。


「三月の修行に耐えたモノのみが、この後宮で皇帝の元で月日を過ごせるのだ。
軍妃ではない妃嬪達だけが、寵を得られる訳ではない。
功績をあげれば、皇帝の耳に入りお呼びがかかる。
皇帝の為にすべてを捧げ、三月後にりっぱな軍妃になられよ。」




< 20 / 390 >

この作品をシェア

pagetop