四面楚歌-悲運の妃-
[風]か[影]か[水]あたりだろう。
この三種の属性が主に情報を得たり、伝達する能力に長けている。
それより、偉罨様がまた黄麟城に参られる事の方が今は重要だ。
あと他の聖人2人とは誰なのかが気になる。
御子が誕生したとなれば話は別だが、いくら皇后が懐妊したという事でも、わざわざ黄麟城に3人も聖人が参る必要はない。
真面目で律儀な性格の偉罨様らしいが…。
そして、なぜ私にそれを話す?
崔皇后様の護衛をしているからか…
崔皇后様にも会うという事は、その時に誰かが護衛についている。
まさか夜には会わないだろうから、会う可能性があるのは、私か悒雉と崙矣の時間帯だろう。
もし私の時だとすれば、非常に困る。
偉罨様は大丈夫だが、他の2人は私がここにいる事を知らないはず…
いや…偉罨様が私が困る状況になる事をするとは思えない。
それに聖人達は厳しい清老師様よりも我らが聖大神の考えを尊重する。
偉罨様が私が後宮にいる事を許しているのなら、聖人達も何も言わない。
聖人は皆、聖大神を重んじている。
ああ…そうだ。
長らく離れていたから、そんな事さえ忘れていた。