四面楚歌-悲運の妃-
次々と倒していくのを候補達は息を飲み、その光景にくぎづけになる。
欺晏惟…欺軍妃将軍を出した一族なだけはある。
次に李梛犀(リナセイ)。
欺晏惟には少し劣るが、5人を次々に倒した。
そして、悒雉の番。
いつも明るい悒雉の顔つきが、真剣な顔に変わる。
確実に1人1人仕留める、綺麗な剣技。
欺晏惟よりは技術的には上と言った所か…
欺晏惟と李梛犀は悒雉のその姿に、顔を歪めた。
悒雉の技に候補達も、ざわめく。
そして最後、崙矣。
もの静かな崙矣は相変わらず興味がない様な顔をして、5人の前に立つ。
さき程の悒雉の一戦にも、興味がない様だった。
開始の言葉と同時に、軽く飛び上がり5人に向かっていく。
これは…
足をつく度に1人また1人と仕留める。
悒雉よりも安定しており、悒雉より上といった所だろうか。
悒雉も驚いて見ている。
終わると崙矣は、何くわぬ顔で端に戻る。
さすがは武術に長けた一族の4人。
4人の一戦を見た候補達は、さらに不安を抱いたのか、中には震えている者もいる。