四面楚歌-悲運の妃-
欺軍妃将軍の言葉に、一息ついて答える。
『10人…いえ、30人…それ以上でも構いませぬ。』
私の言葉に欺軍妃将軍は驚いた顔した。
他の候補達はざわめきだす。
「ほぅ…良いのか?
先程武術に長けた一族でさえ、5人だったのですよ?」
欺軍妃将軍の言葉に、力強く頷く。
悒雉が「冥紗無理よ!何を言ってるの!?」と叫んだのが聞こえたが、私は何も答えず、ただ欺軍妃将軍だけを真っ直ぐ見つめた。
「その仮面…本来ならば、ここにはその様なものをつけた者は入れない。
それ以上でも構わぬと言ったな?
50人…50人と一戦を交えて、勝てば、私も軍妃候補と認めよう。」
欺軍妃候補の言った事に、まわりはざわめく。
「無理に決まってる…。
早く冗談と言った方がいい。」
心配する悒雉が叫ぶ。
今度は悒雉の方を向いて、笑顔を返す。
そしてまた、欺軍妃将軍に向き直り
力強く頷いた。