四面楚歌-悲運の妃-


その質問に思わず俯いていた顔をあげる。


そう…今までになぜ、七神が後宮に入る事がなかったのだろうか?


この疑問を抱く前に村を出てしまった為に、私は答えをしらない。


そういえば、冥明様も後宮入りに反対した…なぜだ?


あの時は反対されたのを押しきるので精一杯で、その疑問を冥明様に聞かなかった。


いや、聞いたとしても教えてくれたかどうかわからない。


冥明様が村を出た理由も、聞いた事があるが、教えてくれなかったぐらいだ。


きっと教えてくれない。


欺軍妃将軍はその答えを知っている?



「私も確かな事はわからぬが、かつて七神を所望した皇帝がいらしたと聞いた事がある。
しかし当時の聖大神が〔美姫を妃にするは国が乱れる原因になります。
我は国を護るが宿命。
それ以外は掟にそむきます。〕
と言って断られたそうだ。」



美姫に溺れて国を崩壊に招いた皇帝がいる。


その逸話か…


故に、七神は仮面をつけ

人前に出るのを避け


皇帝陛下の謁見でさえ、避け続けて来たのか…




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