四面楚歌-悲運の妃-
悒雉達の20対1がはじまる。
三月前はきっと、20対1など出来なかった。
だけど、私達は誰よりも鍛練してきた
時には大事な体に傷もつくった。
それでもなお、弱音一つ吐かずにやってきたのだ。
4人の戦うその姿は、軍妃候補の中でも一際輝いて見えた。
4人全員が20対1をやりとげると、欺軍妃将軍は優しく笑った。
「冥紗…私達はそなたについてゆく。
言うまでもないだろうが、欺軍妃将軍に絶対に負けるな。」
崙矣が私の背中を軽く押して言った。
私のこの先を左右する一戦…
私は目を閉じて、一息ついた。
「冥紗…参れッ!」
欺軍妃将軍の掛け声に閉じた瞳を開け、欺軍妃将軍の方へ足を走らせる。
手は抜かない…
時間はそんなにいらなぃ。
地面を思いきり蹴り飛ぶ。
普段より高く舞い上がる。
舞い上がり欺軍妃将軍の背後に回る。
『軍妃将軍は我の手に…』
木刀を振り落とし、つぎに足元をすくう様に下から斜めに振り上げる。
倒れるゆく欺軍妃将軍。
「み、見事…。」
地に落ちるドサッという音と共に、歓声が上がる。