四面楚歌-悲運の妃-
村を飛び出し、途方に暮れていた冥紗様は琴 冥明(キンメーミン)様とお会いになられます。
その冥明様とは、冥紗様の前の七神だった方だったのです。
冥明様もまたは聖人の村より出ていかれて、遠く離れた村でひっそりと暮らしておいででした。
同じ七神の気と気が2人を会わせたのでございます。
聖人の村を飛び出して来た冥紗様を、清老師様にお渡しする事もなく、冥紗様を娘の様に可愛がられました。
それから冥紗様は琴 冥紗と名乗り、冥明様の元で暮らされたのでございます。
冥明様とお暮らしになられて3年後、宋暦18年。
冥紗様、11歳の頃。
黄宋帝が崩御。
その時、皇太子になられていたのは
鳥が傷つき泣いていた、心優しい公子様、
17歳になられた、稜稟様だったのでございます。
それを知った、冥紗様は[この方が天子様なれば、お護りしたい。]と冥明様に申されました。
しかし、聖人の村へと戻りたくなかった冥紗様は、どうやって稜稟様をお護りするかをお悩みになられました。