四面楚歌-悲運の妃-
「次は私らも、一緒に戦いお守りする。これからも力を合わせ、陛下をお守りしていこう。」
晏惟がそう言うと、皆は先程の顔とは違い、新たに決意した様に頷いた。
5人の気持ちを確かめ合うと、1人1人宦官に連れられ、その場を離れ部屋に向かう。
妃としてだけの幸せを望んでなどいられない。
彼女達には残酷な事だろう。
けれど、4人は強く決意をもち軍妃になった。
この警護で彼女達はより強くなり、美しくなるだろう。
見送るそんな彼女達の背中に私は微笑みかけた。
「琴軍妃将軍様は陛下がお呼びですので、こちらにどうぞ。」
私と一緒に残る宦官はそう言うと黄麟殿の中へと促した。
え…
黄麟殿へ入るの?
不思議に思いながらも中に入ると、陛下が床に腰掛けていた。
「琴軍妃将軍様をお連れいたしました。」
宦官は一礼すると、スっとその場を離れる。
「冥紗…。私の隣においで。」
隣…?
え、でも…
あっ…
私が戸惑っていると、陛下は立ち上がり、私の手を引き隣に座らせる。