四面楚歌-悲運の妃-
でも…軍妃将軍をしていれば、遅かれ早かれ会う事になる。
偉罨様は優しい方だ。
頼めば見逃してくれるかもしれない。
私が聖人の村にいる事を嫌がっていたのも知ってる方だ。
麒麟城にこられるのが偉罨様で良かった。
清老師様なれば、見逃してくれる可能性はない。
偉罨様だったら可能性はある。
それに、もう3年も会っていない。
望みは少ないけれど、私だと気付かない事もあるかもしれない。
まだここに居れる望みはある。
会わない方が1番いいけれど、これは越えなければいけない壁だ。
この後宮にくる前にどんな壁にあたっても、陛下をお守りすると決めた。
もし、強制的に聖人の村に帰る事になっても
陛下を想う気持ちが大きくなる前の方が諦めがつく…
『…わかりました。お会いします。』
私のその言葉に范丞相は笑顔で頷き部屋をあとにした。
明日で最後だとしても、これも私の運命なのだろう。
私はただ祈るしかない。
お優しい偉罨様が…私を見逃してくれる事を…。