四面楚歌-悲運の妃-
しかし、困難な条件を出されても、冥紗様は引き下がる事なく
その条件をうけたのでございます。
冥紗様はそこで、冥明様に仮面をつけられ
仮面をつけたまま、村に来ている、宦官の元に行ったのでございます。
仮面をつけた冥紗様を見た、宦官・楚 邑藍(ソユウラン)様は大変驚かれたそうです。
追い返そうとした時、冥紗様はこう申されました。
[わたくしは天子様をお護りしたく、後宮に参りたい。
寵得るためにあらず。
しかし、この仮面をつけたままでなければ、お婆様がお許しになられない。
この仮面の下の顔が気になるのであれば、村人達に聞いていただいて構いませぬ。]
その冥紗様の言葉に、楚様は
[ならば、ここにいる10人と戦ってみよ。
この10人を倒せたならば、望み通り、そなたを後宮へ軍妃候補として連れて参ろう。]
楚様は小さな娘が倒せる訳がないと思ってそう申された。
しかし、幼い頃より武術をしてきた冥紗様にしてみれば
簡単な事だったのでございます。
その後楚様は村人に冥紗様の事を聞いてまわりました。
どの村人も冥紗様以上の美しい娘はいないと言ったので、その言葉を信じ、
言った通り、10人を倒した冥紗様を後宮にお連れする事になったのでございます。
そしてこの後、わたくしと冥紗様はお会いし、物語は始まっていくのです。